サプリメントや健康食品は、ネットワークビジネス（MLM：マルチレベルマーケティング）の中でも最も売れている商品です。世界中で体の健康に対して関心を持っている人は多く、たくさんの人たちがサプリメントや健康食品を愛用しています。
そのため、ネットワークビジネスに参加すると、体の健康に対して関わることが多くなります。
特に、サプリメントや健康食品の商品を販売している主宰会社に登録していると、健康に関する助言などを求められることが少なくありません。そうした場合に、適切に対応できるためには、健康や病気についてある程度学んでおくことが重要になります。
そこで今回は、健康問題としてよく挙がる「糖化（グリケーション）と酸化が身体へ与える影響」について解説します。
糖化（グリケーション）とは
体の健康を考えていく上で、「糖化（グリケーション）」は非常に重要な反応になります。
糖化（グリケーション）とは、体内のタンパク質に糖分が結合する反応のことをいいます。そして、糖化したタンパク質は、本来の働きを行わなくなってしまいます。細胞で糖化が起こると、その細胞はいわゆる「老化」した状態になります。
例えば、血管は多くのタンパク質で構成されています。そして、血管を作っているタンパク質に糖化が生じると、血管は柔らかさを失ってしまい、硬くなります。その結果、「動脈硬化」が発症します。
こうした糖化反応は、血液中の糖分量が多くなると起こります。つまり、血糖値が高い人は、体内で糖化反応が生じやすいといます。
そして、血糖値を高くする原因の多くは食事にあります。血糖値というと、「食べ物を食べた後に高くなる」というイメージを持っている人が少なくないと思います。しかし実際には、血糖値を上げるのは栄養素の中でも唯一「糖質」のみです。
つまり、いくらタンパク質や脂質を多く含む食品を食べても血糖値は上がりません。
そのため、甘いお菓子やパン、麺類など、糖質を多く含む食品を食べすぎると、血糖値が上昇して糖化反応が促されます。
その結果、血液検査などで血中の糖質量を示す「血糖値」や「HbA1c」「グリコアルブミン」といった数値が上昇してしまいます。こうした糖化現象を抑えるためにも、糖質を多く含む食品はできる限り控えるべきだといえます。
糖化（グリケーション）の具体的な影響
食事で糖質を摂取しすぎると、血糖値が上昇して糖化反応が促されます。そして、体内で活発に糖化反応が起こると、体にはさまざまな影響が与えられます。
例えば、動脈硬化は糖化反応によって引き起こされる健康問題の代表的なものです。また、動脈硬化は大きな血管に生じると、心筋梗塞や脳梗塞などの発症リスクを高くします。さらに、小さな血管での動脈硬化は、腎臓病や網膜症（目が見えなくなる病気）、神経症などを引き起こすことになります。
その他にも、糖化は美容面への悪影響も知られています。
皮膚の大部分は、「コラーゲン」や「エラスチン」と呼ばれるタンパク質で構成されています。こうしたコラーゲンやエラスチンが正常な状態にあることで、肌の弾力やハリは作られています。
当然、血糖値が高くなって体内での糖化反応が活発になると、皮膚のタンパク質にも糖化反応が起こります。
皮膚のタンパク質に糖化反応が生じると、コラーゲンやエラスチンが過剰に結合して硬くなったり、正常なコラーゲンやエラスチンが分解されたりして、本来の役割を果たせなくなります。その結果、肌のハリや弾力性が失われます。
そうなると、肌がもろくなって、最終的にはシワやくすみ、たるみなどが起こります。
このように糖化は、命に関わるような健康問題から、シワやくすみ、たるみといったような美容面へも悪影響を及ぼすことになります。
酸化とは
「酸化」という言葉は、健康や病気について学ぶ上で、避けては通れないものです。健康食品やサプリメントなどで、「抗酸化作用」という機能を押している商品が多いように、酸化は体にとって悪影響を及ぼしやすいものです。
酸化とは具体的には、ある物質に対して酸素が結合する反応のことをいいます。
実際に酸化は、「老化」や「サビ」などという表現で例えられます。例えば、鉄が空気に触れて錆びるのは、鉄に酸素が結合するために起こるものです。人間の体内でも、体の細胞に酸素が結びつく反応が生じます。
ただ、酸化反応の全てが悪いというわけではありません。人の体は、活動するためにエネルギーが必要になりますが、そのエネルギーを作り出す際には、酸化反応が起こります。物質が酸素と結びつくことで、筋肉や内臓などを動かすためのエネルギーが産生されます。
このように酸化は、人が生きていく上では欠かせない反応だといえます。
そして体内では、酸化に伴って「抗酸化」と呼ばれる、酸化反応を抑える反応が起こっています。こうした、酸化と抗酸化のバランスが崩れると、体に問題が起こるようになります。
酸化の具体的な影響
酸化は、人が活動するためのエネルギーを産生する上で欠かせない反応です。ただ、酸化と抗酸化のバランスが崩れて、酸化反応が過剰になると、さまざまな健康問題を引き起こすことにつながります。
体内で酸化が過剰になると、体の細胞は鉄と同じように錆びます。こうした状態は、細胞が老化しているといえます。
このような酸化による細胞の老化は、多くの病気と関係しています。
例えば、血管の壁にある細胞に酸化が生じると、血管は硬くなって「動脈硬化」を発症します。そして動脈硬化は、倦怠感や冷え、痺れなど、ちょっとした体の不調から、心筋梗塞や脳梗塞、腎臓病といった命に関わる病気までも引き起こす原因になります。
また、一見すると関係のないような肌トラブルも、過剰に起こる酸化が関係しています。
肌トラブルとしては、シミやシワ、くすみなどがよく挙げられます。これらは肌の表面にある皮脂が酸化して、「過酸化脂質」という物質が過剰に産生されることが原因で生じます。
さらに、日本人における死因の中で最も多い「悪性新生物（がん）」にも、酸化が関係しています。
その他にも、酸化が関係している病気には、以下のような疾患が挙げられます。
・心臓病
・脳梗塞、脳出血
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・肝臓病
・白内障
・認知症
・膠原病
・アレルギー疾患
このように、慢性的に多くの人が悩まされている病気の多くは、体内での過剰な酸化反応が関係しています。そのため、こうした酸化と抗酸化のバランスを考えた生活を送ることが、病気を予防することにつながります。
今回述べたように、体の健康問題を考える上で、糖化（グリケーション）は非常に重要な体内での反応だといえます。糖化反応が過剰に起こると、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気から、シワやくすみといった肌トラブルまで引き起こすことになります。
また、糖化に対して酸化反応は、体のエネルギーを作り出すために必要不可欠なものです。ただ、体内で酸化反応が過剰に起こりすぎると、細胞の老化を招くことになり、さまざまな病気を発症しやすくなります。
そうした酸化の悪影響を避けるためにも、普段から酸化が過剰に起こり過ぎないような生活を行ったり、抗酸化作用のある食品などを積極的に摂取したりすることが大切です。
そうすることで、酸化と抗酸化のバランスが保たれて、健康を維持することができるようになります。
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