専業主婦として生活している人の中には、家事や育児の空き時間を見つけて副業を行い、副収入を得ている人も少なくありません。そしてその中には、女性1人でも十分生活していける位の収入を得ている人もいます。
女性の中には「女性は男性に養ってもらうからある程度の収入さえあればいい」と考えている人もいると思います。しかし、そうとも言っていられないような現状があることも知っておく必要があります。
そこで今回は、「女性が副業をして副収入を得るべき理由：若年女性貧困」について解説します。
女性が副業をすべき理由
若年女性貧困の問題は、世の中でもある程度認知されてきているものです。若年女性貧困とは、書いて字の通り「若い女性に起こる貧困」です。
ただ、具体的に「どれほどの数の人が若年女性貧困という問題に悩まされているのか」ということを正確に示しているものは少ないです。そうした中で、2011年に国立社会保障・人口問題研究所から発表されたデータは参考になります。これは2007年に厚生労働省が実施した「国民生活基礎調査」を元に分析した結果です。
その中では、勤労世代と呼ばれる「20～64歳」の女性では、「1人暮らしの女性の32.1パーセントが貧困の状態に陥っている」と報告されています。さらに
「未成年の子供がいる母子世帯では、約57.6パーセントが貧困状態にある」とされています。
このように、女性が家計を支える世帯に貧困が集中していることが示されました。この調査は若い女性に絞ったものではありませんが、この結果からでも、若い女性の貧困が問題となっていることは十分に想像できます。
そして、特に一度結婚して離婚した女性では、貧困に陥りやすい傾向であることがわかります。
非正規雇用の女性における現状
「貧困」の定義としては、OECD（経済協力開発機構）が用いている「相対的貧困比率」が利用できます。相対的貧困比率とは、世帯収入から税金や社会保険料を引いた「自由に使える所得」を表すものの平均値を基準とし。その平均値の半分に満たない人の割合を指します。
つまり、相対的貧困比率とは「世の中の標準的な所得の半分未満のお金で生活している人」を指します。
相対的貧困比率に当てはまる額は年によって異なりますが、平均して110万円前後が貧困との境目になっています。日本における、1985～2009年までの相対的貧困率と貧困との境目ラインを以下の表に記します。
| 相対的貧困率（%） | 貧困ライン（万円） | |
| 1985年 | 12.0 | 108 |
| 1988年 | 13.2 | 113 |
| 1991年 | 13.5 | 123 |
| 1994年 | 13.7 | 128 |
| 1997年 | 14.6 | 130 |
| 2000年 | 15.3 | 120 |
| 2003年 | 14.9 | 117 |
| 2006年 | 15.7 | 114 |
| 2009年 | 16.0 | 112 |
この相対的貧困率は、世界でも使われているものであるため信頼性は高いものです。ただ、比較しにくいことや数値がわかりにくいことが問題です。
そこで、2013年に社会保障審議会や厚生労働省から公表された「年収200万未満を生活保護に陥るリスクのある経済的困窮状態」としたものが、経済状態を測る定義として使いやすいものになります。ただ、貧困とは区別して使うことが大切です。
その貧窮の定義を元に、2004年に15～34歳の女性を対象とした調査が行われました。そして非正規雇用の女性は全国で354万人おり、その中で約81.5パーセントが個人の収入だけで見ると「困窮」に当てはまることがわかりました。
ここでいう非正規雇用の人たちが、全てその人の収入だけで生活しているわけではありません。しかし、非正規雇用の若年性女性の多くは、1人ではきわめて低収入という状態になっています。そのため、もし離婚や死別などによって1人や子供と生活しなければいけないようになった場合には、苦しくなる人が多くなります。
女性が副業を行うべき理由
若い女性は、非正規雇用（パート・アルバイトなどで働いている人）がほとんどです。そして、非正規雇用女性の80パーセント以上は、年収200万未満という「困窮」と呼ばれる状態にあります。そのような状況であっても結婚したり、両親と同居していたりする人は、それでも生活に困ることはありません。
しかし、離婚などで1人の力で生活しなければいけなくなると、生活はかなり苦しいものとなります。また、そうだからといって正社員となれるかというと、そう簡単ではありません。
そのような場合、副業を行っていると非正規雇用の給料と副業によって収入を増やすことができます。
しかも、副業には在宅でできるものも多く、特殊な知識や技術を持っていなくても行えるものもたくさんあります。そして副業を行っている人の中には、旦那さんよりも多くの収入を得ている人もいます。
このように、女性であっても副業を行うことで副収入を得ていれば、もし1人で生活しなければいけなくなった場合でも、お金に困ることなく生活できるようになります。
こうした意味でも、たとえ家族の収入で生活できるような人であっても、今のうちから副業を始めて1人でも生活できるような力をつけておくことが大切です。
女性が副業を行うことで得られる3つの力
女性で副業を行っている人は大多数ではありません。しかし、インターネットの普及が進むにつれて、女性の中にも在宅副業を行っている人が増えてきています。
女性が副業を行うことで得られるものはたくさんあります。それは、一般的に考えられている副収入はもちろんですが、それ以外にもいくつかあります。そうした副業で得られるものを知っておくと、より副業に踏み出す女性が増えるはずです。
そこで以下に、「女性が副業で得られる3つの力」について解説します。
収入
副業を行っている、もしくは行いたいと考えている女性が副業に対して最も求めていることは、「収入を増やす」ということです。本業だけの給料では生活が苦しかったり、趣味活動が制限されていたりするために、副業によって副収入を得ることで収入を補います。
副業による収入は、「副業の種類」や「副業に費やす時間」などによって大きく異なります。
毎日1時間程度コツコツ行って、月数万円を稼ぐようなものもあれば、毎日数時間作業して月に数十万円の収入になるようなものもあります。また、副業のやり方によっては、本業の給料を大きく上回るような収入を得ることができる場合もあります。
このように、女性が行う副業は、その人の生活や望む収入、副業に費やすことができる時間によって得ることができる金額が異なります。
しかし、どのような副業であっても、諦めずにコツコツやることで必ず収入を得ることができます。
稼ぐ力
女性が副業を行うことで、金額に違いはあるにしても収入を増やすことができます。女性で副業を行っている人には、このように収入を少しでも得たいと考えている人がほとんどです。
一方で、将来の仕事に不安を抱えて副業を行っている人もいます。そのような人の場合は、副業によって得られる一時的な副収入が目的ではなく、副業を行うことで得られる「自分でお金を稼ぐ力」を身に付けることを重視しています。
女性の場合、基本的には会社に与えられた仕事を行うことで、その働きに対して給料としてお金をもらうことができます。しかし、もし将来的に会社を解雇されたり、会社が倒産したりしたときには、仕事を用意してくれる人はいなくなります。そうなると、自分自身で仕事を見つけてお金を稼がなければいけません。
副業を行う際には、自分で仕事を見つけなければいけません。非常勤（パート・アルバイト）として雇われという立場で副業を行う場合は別ですが、在宅で副業を行う人のほとんどは、自らが動いて仕事を獲得しなければいけません。もしくは、新たな仕事を作って、自分自身でお金を生み出す必要があります。
そのため、副業を行うことで自然と「自分で稼ぐ力」を身に付けることができるようになります。
そうすることで、将来的に会社を解雇されたり、会社が倒産したりしたような場合でも、自分で稼ぐことができるためお金に困ることがなくなります。
このように、副業を行うことで、一時的な副収入を得るだけでなく、「自分で稼ぐ力」を身に付けることができます。
資産
副業を行うことで、一時的な副収入だけでなく、「自分で稼ぐ力」を身に付けることができます。また副業は、種類によってはあなたの「資産」を形成することにもつながります。
資産とは、あなたが働かなくても自動的に収入を生み出してくれるものです。
例えば、副業で不動産収入を得ることができるようになったとします。そうすると、あなたは一度購入した不動産からお金が入ってくる仕組みを作れば、その後はほとんど何もしなくても不動産収入を得続けることができます。
他にも、サイト作成やネットワークビジネスなども、資産を形成できる副業になります。
このように、副業は種類によっては、お金を自動的に生み出す仕組みを作ることで、あなたの資産を形成することにもつながります。副業によって資産形成ができると、将来的な収入の心配を減らすことができます。
今回述べたように、女性が副業を行うことで得られるものは一時的な副収入だけではありません。その他にも、副業によって「自分で稼ぐ力」や「資産」などにつなげることもできます。
女性で副業を始めることをためらっている人は、こうした副業のメリットを知ることで、副業を開始するきっかけになるはずです。
今回述べたように、若い女性の中には1人の収入では生活が難しい人が多くいます。そうした人たちが、もし1人で生活しなければいけなくなったときのために、副業による副収入を得られるようにしておくことをお勧めします。
そうすることで、もしものことがあっても、女性1人でも十分に生活ができるようになります。
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